「ドゥームズデイ・ブック」コニー・ウィリス著

1992年に出版されたアメリカのSF作家コニー・ウィリスによるパンデミックもの。 コロナ禍の今とリンクする内容なので久々に読み返してみた。 同じシリーズの「犬は勘定に入れません」を先に読んでたのだけど、出版された順番としては逆。 これが"オックスフォード大史学部シリーズ"の長編作品としては最初の作品になるんだね。 史学生キヴリンをダンワージー先生たちが中世にタイムトラベルさせると…

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「メインテーマは殺人」アンソニー・ホロヴィッツ著

めっちゃ久々に読んだ本の感想書いてみる。(ネタバレ無し) ここ数年、読む本の数がどんどん少なくなってたんだけど、コロナで引きこもり気味なこともあり最近は読書量が増えてきてて、ほぼ昔読んだ本の再読ばっかだけど、久しぶりに新しいのも買ってみた。 「刑事フォイル」の脚本家でもあるアンソニー・ホロヴィッツの新作ミステリー。 前作「カササギ殺人事件」よりも、どっちかっていうとこの「メインテーマは…

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「犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」コニー・ウィリス著

「ボートの三人男」の副題"犬は勘定に入れません"がタイトルになっているこの本。 アメリカの女性SF作家によるイギリスを舞台にしたユニークでユーモラスなSF小説です。 レディ・シュラプネルから“主教の鳥株”なるものを探せと命ぜられた主人公ネッドが、いろいろあって19世紀ヴィクトリア朝時代のイギリスに派遣され、歴史の流れを元に戻すために四苦八苦する...というのが簡単なあらすじ。 戦時…

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「ボートの三人男 犬は勘定に入れません」ジェローム・K・ジェローム著

「ジーヴス」以外に面白いユーモア小説はないかなぁと探して見つけたのがこれ。 ジェローム・K・ジェロームという19世紀の英国人作家が自身の体験を基に著したユーモア小説。 三人の英国紳士が犬と共に、ボートでテムズ河を旅するというシンプルな物語。 男三人のお気楽旅がユーモアたっぷりに綴られています。 ハリスの迷路の話や、白鳥と格闘する話、ジョージのバンジョーなどなど、彼らの旅の様子や数々の…

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ジェイン・オースティンの長編6冊

ここのとこジェイン・オースティンがマイブーム。 去年『ジェイン・オースティンの読書会』を見た後、未読だった作品を読み始め最近全部読み終わりました! どの作品も基本は恋愛話。 ヒロインが紆余曲折を経て幸せな結婚にたどり着くまでが描かれてます。 この手の恋愛物って苦手でめったに読むことないんだけど、オースティンの作品はなぜか好き。 ただ恋愛を描いているのじゃなく、人の心理や人間関係が見…

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「ジーヴスと朝のよろこび」P・G・ウッドハウス著

ジーヴスシリーズ第7弾! 短編「ジーヴス登場」に出てきた横顔美人のフローレンス・クレイがふたたび登場。 ついでに弟のエドウィンまで。 この2人が出てくることでバーティに災難がふりかかるのは当然のこと。 さらにフローレンスの婚約者チーズライトやら、作家ボコとノビーの恋騒動などが絡んでいつもどおり事態はかなりこんがらがっていきます。 考えてみるとバーティが困難に陥ったのはある意…

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「サンキュー、ジーヴス」P・G・ウッドハウス著

ちょいお久しぶりのウッドハウス・コレクション第6弾。 ジーヴス物の長編です。 今回はとうとうジーヴスがバーティの元を去って行っちゃいます! バンジョレレを心置きなく練習するため田舎のコテージに滞在するバーティ。 だけど、やっぱりバーティの元には次々と騒動が起こっちゃうのだよねー チャッフィーの恋騒動から、新しく雇った執事のダメっぷりなどなど、笑いどころ満載。 そしてジーヴス無…

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「贖罪」イアン・マキューアン著

「愛の続き」に続いてイアン・マキューアンの小説。 GW頃公開されるらしい映画『つぐない』の原作です。 前から気になってたんだけど、映画公開にあわせて文庫化されたので読んでみました! 前半は13歳の少女ブライオニーが大きな罪を背負うことになってしまう嘘をつくまでの1日が語られる。 それもブライオニーの視点からだけではなく、多面的に、緻密かつ繊細に描かれていく。 じわじわと緊張感が高ま…

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「愛の続き」イアン・マキューアン著

前から気になってたイギリスの作家イアン・マキューアンの小説。 翻訳者は『ジーヴスの事件簿』と一緒の人(小山太一氏)だったし、とても読みやすかったです。 物語のきっかけとなる気球事故の描写からしてとても上手い! すっと物語に引き込まれて、どんどん読み進めたくなる。 そして、その後の展開も奇妙で恐ろしくて面白い!! “執拗な愛”=“狂気”に徐々に追い詰められていく主人公ジョー。 …

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「でかした、ジーヴス!」P・G・ウッドハウス

久しぶりのジーヴス。 P.G.ウッドハウスのジーヴスシリーズ第5弾です~ 一気に読むのはなんかもったいなかったのと、短編集ってこともあって、ちょっとづつ読んでたらけっこう時間かかっちゃいました。 もう第6弾(「サンキュー、ジーヴス」)出ちゃってるし。 でも時間はかかったけど、どのお話も期待を裏切らないオモシロさ。 今回も最高に楽しめました! パターンは同じでもナゼか飽きがこな…

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「ウースター家の掟」P・G・ウッドハウス

「よしきた、ジーヴス」に続いてのジーヴス物の長編。 めちゃくちゃ面白かった♪ ダリア叔母さんなどのおなじみのメンバーから、“黒ショーツ党”党首ロデリック・スポードなんていう超濃い新キャラまでが繰り広げるドタバタ劇。 トム伯父さんのウシ型クリーマーをめぐる騒動にガッシー&マデラインの婚約騒動と茶革の手帳の騒動、それにステッフィーとハロルド・ピンカーの婚約騒動に警官のヘルメットの事件などな…

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「それゆけ、ジーヴス」P・G・ウッドハウス

国書刊行会版のジーヴス・シリーズ第三弾! 文春版とダブってた「比類なき~」と違い、これはほとんど初めて読む話ばっかりで良かった。 バーティやその周りの人たちのトラブルを見事ジーヴスが解決っていうおなじみのパターン。 はっきり言ってマンネリなんだけど、段々そのマンネリが楽しくなってくる。 相変わらずバーティはお人よしでお馬鹿で最高! そしてジーヴスは相変わらず腹黒い...だけどご…

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「比類なきジーヴス」&「よしきた、ジーヴス」P・G・ウッドハウス

文春版のウッドハウス選集(「ジーヴズの事件簿」&「エムズワース卿の受難録」)を読んでハマってしまい、とうとう国書刊行会版も買っちゃいました。 こちらはすべてジーヴスもので、今のとこ5冊出てます。 けっこう売れたらしく、この後まだ2冊出る予定らしい! とりあえず最初の2冊を読了。 「比類なき~」は「ジーヴズの事件簿」と収録作がほとんどダブってます。 でも訳者が違うので、微妙に雰囲…

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「フリッカー、あるいは映画の魔」セオドア・ローザック著

1998年度の“このミス”の1位に選ばれた翻訳ミステリー。 ミステリーファンっていうより映画ファンにオススメって感じの小説です! マックス・キャッスルという映画監督をめぐる物語。 映画青年ジョナサンはある日、ドイツ人映画監督マックス・キャッスルの作品と出会う。 B級映画監督として忘れ去られていたキャッスルの作品に妙に惹かれたジョナサンは、彼の過去の作品を探し始める。 そして、徐…

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「エブリシング・イズ・イルミネイテッド」ジョナサン・サフラン・フォア

イライジャ・ウッド主演の映画『ぼくの大事なコレクション』の原作小説。 映画の方は近くで公開される予定がなくDVD待ちになりそうなので、とりあえず原作から。 ガーディアン新人賞を受賞、アメリカで100万部を超えるベストセラーとなった小説。 いわゆる自分探しの旅を扱ってるけど、他とは一味違う、強烈な後味を残す作品でした。 主な登場人物は3人。 ウクライナで祖父の生まれた“トラキムブ…

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