去年『ジェイン・オースティンの読書会』を見た後、未読だった作品を読み始め最近全部読み終わりました!
どの作品も基本は恋愛話。
ヒロインが紆余曲折を経て幸せな結婚にたどり着くまでが描かれてます。
この手の恋愛物って苦手でめったに読むことないんだけど、オースティンの作品はなぜか好き。
ただ恋愛を描いているのじゃなく、人の心理や人間関係が見事に描かれているから、どんだけ時が経っても(200年以上たってる)色あせないし、誰もが楽しめる作品になってるんだよね。
物語の展開のさせ方も絶妙で、映画やドラマで内容知ってても、結末分かってても、一旦読み出したら止められなくなってしまうのです。
そして長編6冊のヒロインがどれも違ったタイプの人物像だっていうのも面白いところ。
だから作品によってはヒロインに共感出来なかったりもするんだけど、それでも脇役が個性的で面白い(滑稽なキャラが多い)から問題なく楽しめてしまいます。
それぞれの作品の感想を。。(一応好きな順で)
「高慢と偏見」
基本って感じだけどやっぱりこれが一番好き。
しっかりと自分の意見を持ったエリザベスと、プライド高いけど実は誠実なダーシー。
この2人、キャラ的にも組み合わせ的にもとっても魅力的なんですよね~
ドラマ見てから読んだので、ダーシーは頭の中でどうしてもコリン・ファースの顔が浮かんできてしまいます。

高慢と偏見 (中公文庫) - ジェイン・オースティン, 大島一彦
「エマ」
これもかなり好き。
エマは美人で頭も良いけどわがままな部分もあるお嬢様。
縁結びが趣味で、思い込みと勘違いとで周りの人たちに迷惑をかけまくるという欠点の多いキャラ。
でもちゃんと反省して徐々に成長していくので最後には共感できちゃいます。
唯一エマにハッキリ物を言うナイトリー氏が最後エマに告白するシーンが素敵です。
作品としても明るめのタッチで描かれてるのでとっても読みやすい。

エマ(上) (ちくま文庫) - ジェイン・オースティン, 中野康司
「分別と多感」
アン・リーによる映画版が好きなんだけど、この原作も凄く良かった。
“分別”のエレノアにめっちゃ感情移入しちゃいます。
だから“多感”のマリアンヌにはちとイライラさせられたけど。
切ない分ハッピーエンドが凄く良かった~って思える作品です。

分別と多感 (ちくま文庫 お 42-6) - ジェイン オースティン, Austen,Jane, 康司, 中野
「ノーサンガー・アビー」
オースティン作品の中でコメディ色の一番強い作品。
主人公キャサリンの明るくて素直でちょっとおっちょこちょいなところがカワイイ。
ノーサンガー・アビーでの妄想・勘違いの数々が笑えます。
相手役ヘンリーのキャラもちょっと風変わりなインテリ男子って感じで好きだな。

ノ-サンガ-・アビ- (ちくま文庫 お 42-8) - ジェイン オースティン, Austen,Jane, 康司, 中野
「説得」
晩年にかかれた作品なので地味な印象。
アンのキャラは嫌いじゃないけど落ち着きすぎていて共感とまではいかない。
ウェントワース大佐(←ウェントワース・ミラーの名前はこれが由来らしい)は最初自信たっぷりなキャラであまり好きになれないんだけど、ある事件から変わっていく後半は素敵です。

説得 (ちくま文庫 お 42-7) - ジェイン オースティン, Austen,Jane, 康司, 中野
「マンスフィールド・パーク」
ヒロインのファニーがあまりに優等生的キャラで最初から最後まで好きになれなかった。
おどおどしてるくせに頭の中でみんなにダメだしてるところにイラっとくる。
相手役エドマンドも似たようなキャラで苦手。
そしてそんな2人よりもクロフォード兄妹の方が魅力的に感じてしまう。
もちろん彼らはかなり欠点のあるキャラなんだけどそれが逆に人間的で、読後印象に残るのはこの2人なんだよね。

マンスフィールド・パーク (上) (岩波文庫 赤 222-7) - ジェイン・オースティン, 新井 潤美, 宮丸 裕二
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